ロードバイクに乗っていると「下ハンを握ってるとき、ブレーキに指が届きづらいんだよなー」と感じることが多いです。
私の指の長さは標準的だと思いますが、それでもしっかりと指をかけることができないのです。
みなさんも一度は「ブレーキを握るときにレバーがもう少し近ければ・・・」と、感じたことがあるのではないでしょうか?
実はブレーキレバーのリーチ(=ブレーキの握り幅)は、アーレンキーやドライバー1本だけで簡単に調整可能です。
「リーチアジャストボルト」というボルトを回すことで、広げたり狭めたりすることが可能です。
対象は「STIレバー」ということでSHIMANOに限ります。SRAMや寒波さんはまた異なりますのでご注意ください。
本記事はSHIMANOから公表されているディーラーマニュアルに記載されている内容を元に作成しています。
ディーラーマニュアルは、自転車安全整備士/自転車技士等の専門知識を有している方を対象としたマニュアルです。
この記事の内容を元にご自身でメンテナンスする際には、自己責任でお願いいたします。
そのため、2025年版として
- 機械式リムブレーキ
- 機械式ディスクブレーキ
- 油圧式ディスクブレーキ
それぞれの手順で更新しました。
下ハンを持つとブレーキが遠くて握りづらい?
下ハンを持つとブレーキがとても遠く感じる方は多いのではないでしょうか。
特に、女性の場合は男性と比べて手も小さい方が多いと思いますので、より一層遠く感じるはず。
そもそも完成車を購入したときに「ブレーキの握り幅はどうですか?握りやすい様に狭くしますか?」とか、「アジャスト機能があるので、ブレーキまで届きにくかったら持ってきてください」なんて言われた覚えは全くありません。
知らなかったのは私だけかも?と思ったのですが、Twitterでつぶやいたところ、ちょこちょこ反応がありました。
私の指はそんなに長くない方だと思うんだけど、そういう人が下ハンを持つと、ブレーキまでが非常に遠く感じて、握りづらく感じるんですよね。
とはいえ、急坂のダウンヒルは持たなきゃダメだし。。
と考えていたのだけど、ブラケットのリーチアジャストボルトを調整してみたらいい感じになった。 pic.twitter.com/YpKPGL0c0s
— とっくん・∀・ (@sstkn) 2017年3月23日
つまり、「ブレーキの握り幅は調整することができる」という事実をそもそも知らないユーザが多いのだと思います。
調整可能なSTIレバーと調整方法
基本的に機械/油圧式、リム/ディスク問わず、Tiagraグレード以上のSTIレバーであれば調整可能となっているようです。
私が以前乗っていたSCULTURA700はリムブレーキ機械式の105。
そして、2025年から乗っているCANYON Aeroad CF SLX8はDi2のULTEGRA。
いずれも調整可能なモデルでした。
また、最近のコンポは基本的に2mmのアーレンキーがあれば調整可能です。
機械式リムブレーキの場合、STIレバーによって調整するための工具が異なるので、ご自身のSTIレバーに合うものをチョイスしてくださいね。
リムブレーキ機械式:4-5mmマイナスドライバー
対象型番は下記の通り
グレード | 型番 |
DURA-ACE |
・ST-R9100 ・ST-R9000(*) |
ULTEGRA | ・ST-R6800(*) |
(*)最新のディーラーマニュアルには記載無し
ブラケットカバーを捲ると、調整のネジが現れるタイプです。
リムブレーキ機械式:2mmアーレンキー
対象型番は下記の通り
グレード | 型番 |
ULTEGRA | ・ST-R8000 |
105 |
・ST-R7000 ・ST-R5800(*) |
TIAGRA | ・ST-R4700(*) |
(*)最新のディーラーマニュアルには記載無し
工具がドライバーからアーレンキーになっているだけで、ブラケットカバーを捲ると調整のネジが現れるのは変わりません。
ディスクブレーキ油圧機械式:2mm アーレンキー
対象型番は下記の通り
グレード | 型番 |
DURA-ACE | ・ST-R9120 |
ULTEGRA |
・ST-R8020 ・ST-R8025 |
こちらもブラケットカバーを捲ると調整のネジが現れます。
また、機械式油圧ディスク用STIはもう少しラインナップが多いのですが、ST-R7020/ST-R7025/ST-4720/ST-4725は握り幅の調整ができないモデルになっています。
ディスクブレーキ油圧Di2:2mm アーレンキー
対象型番は下記の通り
グレード | 型番 |
DURA-ACE | ・ST-R9270 |
ULTEGRA | ・ST-R8170 |
105 | ・ST-R7170 |
最近のDi2だと、ブラケットカバーを捲る必要がない場所に調整ネジがついています。
キャリパーの根本のあたりにあるボルトにより調整が可能です!
必要な工具を用意したら、実際の作業です。
リーチを調整:機械式
私の乗っていたSCULTRA700は機械式。2mmのアーレンキーで調整するタイプでした。
まずは、ブラケットカバー(STIレバーフード)の先端をめくります。
むき出しにした箇所に穴が開いていて、中に調整するためのネジが確認できます。
このネジを左右に回すことで、リーチが調整できる仕組みです。
時計回りに回す(絞め込む)と握り幅が狭く、反時計回りに回す(緩める)と握り幅が広くなります。
今回は握り幅を狭くしたいので、時計回りに絞めるのが正解です。
調整前はこのくらい。
そして調整後です。
若干写真の撮り方が悪く見づらいですが、調整前と比べ指がリーチが短くなり指が届きやすくなりました!
握ってみると、数センチとはいえその差は歴然。
実際に下ハンを握って走ってみましたが、とてもブレーキが握りやすいです。
その後、ダウンヒル時にも試しましたが、特に問題なさそうです。
今後続けてみて、ダメそうだったら、また報告したいと思いますw
さいごに
あまり認知されていない、STIレバーのブレーキ握りしろ調整方法。
実際に引きしろが多すぎると、その分ブレーキレバーが遠くになってしまいますので、意外と乗っているときの快適性に直結しますよね。
そして、上記の調整後はブレーキが効くかどうかを必ずチェックしてくださいね!
急こう配を下る時や、荒サイの強風(荒川峠w)を走る時など、下ハン握って走りたいタイミングが多々あると思います。
握ってみて「遠いなぁ」と思ったら、ぜひご自身で調整するか、馴染みのショップにもっていってみてください。
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